市販薬（OTC医薬品）と成分や効果が似ている「OTC類似薬」への公的医療保険の適用見直しについて、厚生労働省は6日、社会保障審議会の医療保険部会で議論した。
委員からは従来通り適用を認める意見が多数を占めた。保険適用内としつつ、一部に自己負担を導入する意見もあった。
部会では厚労省が、医師の処方箋が必要で保険適用されるOTC類似薬と市販薬との価格差が大きいことや、成分は同じでも効能や効果、1日あたりの服用量などに違いがあることを説明した。
保険適用から外せば低所得者には過重な費用負担に
出席委員からは保険適用から外した場合、低所得者にとって過重な費用負担となることや、市販薬とは用法、用量が異なることなどを理由に従来通りの適用を求める意見が相次いだ。
一方、委員の一部からは「医療上の必要性、安全面の観点から保険枠内に置きつつ、別途負担を求める仕組みも考えられる」との意見も出た。
厚労省の担当者は終了後「保険適用内という方向性を示す議論になっている」と語った。
年内にも結論を出し医療制度改革に反映させる。
保険適用の見直しは保険料の抑制が目的。医療費削減を主張する日本維新の会と自民党との「連立合意」で検討課題とされ、高市早苗首相の所信表明演説にも盛り込まれた。（大杉はるか）
